渓流 1928年（昭和３） この作品は1910年に第四回文展に出品した油彩画《渓流》をもとに流れ落ちる水の動きに焦点を絞って画面を再構成したもの。吉田博の最たる特徴ともいえる自然の繊細な描写が見てとれる作品。

ユングフラウ山 　 1925年（大正14年） 関東大震災後、渡米し数年活動後したのちにヨーロッパを歴訪した。「ユングフラウ山」はその際に描かれた作品である。

穂高山[日本アルプス十二題] 1926年（大正15年） 欧州歴訪後に新宿区下落合にスタジオを構えた時期に描かれたもの。「日本アルプス十二題」は北アルプスを題材に作成した木版画シリーズ。

ルガノ町 1925年（大正14年） 欧州歴訪時に描いた作品。ルガノ町はスイスのイタリア国境近くに位置し、吉田博はスイスの山々を巡ったあと、イタリアに向かう旅路でこの町を通った。イタリア語圏であり、建物の様子もドイツやスイスのものとは異なることが見てとれる。